九州大学 先導物質化学研究所 物質機能評価センター
単結晶X線構造解析装置

X-ray Diffraction & Scattering

単結晶X線構造解析装置

Rigaku · XtaLAB Synergy-R/DW ·2021年導入

筑紫キャンパス / 依頼分析可能

Cu / Mo デュアル波長と高輝度回転対陰極を搭載した単結晶構造解析装置。 HyPix-6000 HE 検出器と CrysAlisPro / AutoChem 3.0 により、 有機小分子から金属錯体・無機・鉱物まで自動で構造決定まで進められます。

設置場所
筑紫キャンパス / 南棟 109号室(西)
担当者
松本 泰昌

基本仕様

X線源
回転対陰極 PhotonJet-DW(Cu / Mo デュアル波長、ソフトウェア切替)
出力
Cu:1200 W(40 kV / 30 mA)、Mo:1200 W(50 kV / 24 mA)
検出器
HyPix-6000 HE(半導体直接検出 / ハイブリッドフォトンカウンティング、100 μm ピクセル)
温度範囲
100〜500 K

装置概要

単結晶X線構造解析装置は、単結晶試料の3次元X線回折データを収集し、結晶構造(原子座標・結合距離・結合角・熱振動パラメータなど)を決定する ための装置です。新規合成化合物の構造同定、結晶多形の判別、配位構造の決定、絶対構造の決定など、合成化学・材料化学・鉱物学・生命科学など幅広い研究で不可欠なツールとなっています。

最大の特長は、Cu と Mo の2種類のターゲットを1台で切替使用できる「DW(Dual Wavelength)」構成 です。Cu-Kα は重元素を含まない有機小分子の絶対構造決定や水素結合の議論に有利Mo-Kα は重元素を含む金属錯体・無機化合物・吸収の大きな試料の測定に有利 と、試料の性質に応じて最適な波長を選べます。光学系も波長ごとに2系統搭載されており、波長切替はソフトウェア制御で行えます。

X線源には高輝度回転対陰極を採用し、封入管型に比べ大幅に高い輝度を実現。微小結晶や弱回折試料の測定 にも対応します。検出器は半導体直接検出型のハイブリッドフォトンカウンティング検出器 HyPix-6000 HE を搭載し、シャッターレス測定 により短時間で高品質なデータを取得します。

ソフトウェア面では、装置制御からデータ収集・データリダクション・構造解析までを CrysAlisPro が一貫してサポート。さらに自動構造解析プラグイン AutoChem 3.0 との連携で、測定後の構造決定までほぼ自動 で進められます。

主な機能

Cu / Mo デュアル波長による単結晶構造解析

単結晶X線構造解析では、測定対象の元素組成や試料サイズに応じて適切な波長を選ぶこと が重要です。本装置は1台でCu / Moを使い分けられるため、研究テーマに応じた最適測定が可能です。

  • Cu-Kα(λ ≈ 1.54 Å):波長が長く回折強度が強いため、有機小分子・軽元素中心の試料 に適しています。重元素を含まない化合物の 絶対構造(フリーデル対のシグナル) を高い信頼性で決定できるほか、水素原子の位置決定にも有利です。
  • Mo-Kα(λ ≈ 0.71 Å):短波長で高Q領域までデータが取れるため、金属錯体・無機化合物・鉱物・吸収係数の大きな試料 に適しています。重元素による吸収の影響を抑え、より高分解能のデータを取得できます。
  • 波長切替・光学系切替はソフトウェア制御で行え、試料に応じた最適化がスムーズです。

高輝度X線源による微小結晶・弱回折試料の測定

回転対陰極の高輝度ビームにより、封入管型では測定が難しいサイズの微小結晶や、回折強度が弱い試料 にも対応します。新規合成化合物で十分な大きさの結晶が得られない場合や、有機・有機金属化合物の精密構造決定 に有効です。

HyPix-6000 HE によるシャッターレス高速測定

ハイブリッドフォトンカウンティング検出器の特性により、シャッター開閉のロスなく連続測定 が可能です。広いダイナミックレンジ(最大31ビット)と高速読み出しで、強い回折点と弱い回折点を同時に取得しながら、測定時間を大幅に短縮します。

温度可変測定(100〜500 K)

低温装置の装着により、100 K(約 -173℃)から 500 K(約 +227℃)の温度範囲 で単結晶測定が可能です。

  • 低温測定:熱振動を低減することで、原子位置や電子密度分布をより精密に決定できます。標準的な構造解析では100 K前後での測定が一般的です。
  • 温度可変測定:相転移、熱膨張、温度依存の構造変化(分子の動的挙動、可逆的な構造変化など)の追跡にも活用できます。

統合制御・解析ソフトウェア

CrysAlisPro(データ収集・処理ソフトウェア)

装置のハードウェア制御・データ収集・データリダクションを一貫して行う統合ソフトウェアです。

  • 装置制御:X線シャッター開閉、波長切替(Cu / Mo)、ジェネレータの電圧・電流設定、温度制御装置、すべての操作をGUIから実行可能。
  • 試料スクリーニング:短時間の予備測定で、ピーク数・格子定数・回折強度・モザイシティから試料の品質を自動評価。良好な結晶/要再選別の判定を色分け表示。
  • データ収集とリダクションの並行実行:測定中にリアルタイムで指数付け・積分が進行し、測定終了とほぼ同時にリダクション済みデータが得られます。

AutoChem 3.0(自動構造解析プラグイン)

CrysAlisPro と連携する自動構造解析プラグインで、測定終了から構造解析・CIF生成までを自動化 します。ルーチンの構造決定であれば、装置に試料をセットして開始するだけで、構造モデルが得られます。

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